HOUSTON｜極寒仕様の“初期型”を現代に再構築した「N-2Bフライトジャケット」

N-2Bとは？極寒域“HEAVY ZONE”が生んだ防寒フライトジャケット

−10℃〜−30℃の空の上で機能した「HEAVY ZONE」モデル

N-2Bは、主にアメリカ空軍の航空要員向けに開発された極寒仕様のフライトジャケット。
その役割はシンプル──“過酷な高度の冷気から身体を守ること”。

Nシリーズの中でもとくに防寒性に特化しており、短丈で動きやすく、分割式フードや厚手のリブで冷気の侵入を防ぐ構造をもつ。機能本位のデザインは、時代を超えてファッションにも影響を与えてきた。

［HOUSTON｜#51536 N-2B フライトジャケット］

N-2AからN-2Bへ。初期型が持つ資料性

N-2Aの後継として誕生したN-2Bは、1950年代〜80年代頃まで長く支給されたモデル。その中でも初期型は、現行のジャケットには見られない武骨な風合いや素材感が特徴だ。

《ヒューストン》がサンプリングしたのは、この“初期型”。
当時の写真資料や実物を丁寧に読み解き、現代の技術で再構築している。

［HOUSTON｜#51536 N-2B フライトジャケット］

N-3Bとの違いは？

N-2Bと混同されがちな“兄弟モデル”が、同じく極寒仕様の「N-3B」。

両者の違いは以下の通り：

▼シルエット（最も大きな違い）

N-2B：ショート丈（ウエストまで）
航空機内での“着席姿勢”や機動性を優先したデザイン。

N-3B：ロング丈（膝上あたり）
地上勤務や兵站作業時の防寒性を重視した“コート型”。

▼用途の違い

N-2B：航空要員向け（パイロット／クルー）

N-3B：地上要員向け（グラウンドクルー／寒冷地基地での任務）

▼素材感・重さ

N-2B：軽量で短丈、動きやすい

N-3B：中綿多めでボリューム大、より防寒寄り

▼つまり――

N-2B＝“空の上のアクティブウェア”

N-3B＝“地上のヘビーアウター”

というイメージがいちばんわかりやすい違いだ。

［HOUSTON｜#51536 N-2B フライトジャケット］

有名映画・カルチャーとN-2Bの関係

N-2BはMA-1ほど派手に映画へ登場するタイプではないが、空軍基地のリアルな隊員写真や、米軍払い下げ品が流通した70〜80年代のストリートで強い存在感を放ったモデルだ。

特にアラスカや北欧地域のアメリカ空軍部隊のクルーに愛用された背景から、
“本物のヘビーデューティウェア”として古着市場でも人気を確立。
実用性から生まれたデザインだからこそ、いまの冬アウターとしても説得力がある。

［HOUSTON｜#51536 N-2B フライトジャケット］

《HOUSTON》が再構築した“初期型N-2B”の魅力

1950〜80年代の初期型を参考に再設計

ショート丈、フードのボリューム、表情のあるナイロン、太番手のステッチ……。
N-2Bらしさを決定付ける構造を丁寧に拾いあげて再設計。現代の着やすさとヴィンテージの空気感の間を絶妙なバランスでまとめている。

大ぶりのフード × ファーが作る圧倒的な防寒力

N-2Bの象徴ともいえるのが、ボリュームのあるフードとファー。
顔まわりの冷気を遮断する実用性に加え、冬の装いの主役となる存在感も魅力。
街で着ても力強い立体感が出て、コーディネートの重心をしっかり支えてくれる。

ナイロンシェルの耐久性と風合い

古いミリタリーウェア特有の“わずかな艶を含んだナイロン”を現代的に再表現。
ハリがありつつ柔らかい。屋外でも心強い耐候性を備え、デイリーに使いやすい素材感へとアップデートしている。

［HOUSTON｜#51536 N-2B フライトジャケット］

着たときのシルエット・着心地について

短丈×ボリュームフードのクラシックシルエット

N-2Bの魅力は、やはりこのショート丈。
ウエストでキュッと止まるプロポーションが、ワイドパンツから細身のデニムまで幅広く相性がいい。
フードの大きさが肩周りに程よいアクセントを加え、冬の着こなしに奥行きを生む。

袖・裾リブがつくる快適性

厚みのあるリブは冷気をしっかり抑えつつ、締め付けすぎないバランス。
屋外での実用性と、街着としてのストレスフリーな着心地を両立している。

袖通しの良いポリエステル裏地

冬アウターの着脱をスムーズにする“滑りの良さ”はとても重要だ。
ポリエステル裏地のおかげでインナーにニットを合わせても干渉が少なく、冬の重ね着が快適になる。

相性の良いボトムスは？

ショート丈のN-2Bはボトム選びの自由度が広い。

・M-51／M-65のカーゴパンツ
・ストレート〜ややワイド気味のデニム
・軍チノ
・スウェットパンツ

どれも相性抜群だが、特に太すぎないミリタリー／ワークパンツと合わせるとシルエットが美しくまとまる。
冬のコーディネートの軸として使いやすいのもN-2Bの魅力だ。

DETAIL｜こだわりのディテール

▲ N-2B独自フード
N-2B初期型の象徴である大ぶりのフードは、中央のジッパーを開くと左右へ分割する特殊構造。これはヘルメット着用時の視界・可動域の確保や、作業時にフードが邪魔にならないようにするための実用設計で、極寒下の任務に適応する合理的ディテールとなっている。

▲“高めの前立て”と“ドローコード”
首元から顎までせり上がる前立て構造が特徴。ジッパーを上まで絞めることで、顔の下半分までしっかり覆い、極寒下での風侵入を徹底的に抑える。フード両側のドローコードには、初期型らしいレザーパッチ補強が施されている。

▲ ボア仕様
フード裏は保温性の高いパイル地を使用たボア仕様。ファーと併せて極寒域での任務を想定したN-2Bならではのディテールとなっている。

▲ フロントジッパー
メインファスナーはレザープルを装備。グローブ着用時でも操作しやすく、エアクルー向けジャケットらしい実用性を備える。ジッパーの上には風の侵入を防ぐストームフラップがつく。

▲ ハンドウォーマーポケット
腰には斜め型のポケットを配置。手を入れやすい設計で、スナップボタン付き。

▲ パススルーフロントポケット
これは内ポケットではなく、外側のポケットからインナーやパンツのポケットへ直接アクセスできるように設計された貫通式構造。ミリタリーらしい機能的ディテールだ。

▲ ユーティリティポケット
Nシリーズでおなじみのユーティリティポケットを左腕に装備。ジッパー仕様で、ペン差し付きの実用的なつくり。

▲ 袖口リブ
袖口は強いテンションのリブを内側に配した二重構造。極寒域でも体温を逃がさないミリタリーらしい設計。

▲ 裾リブ
裾にも厚みのあるリブを採用し、冷気の侵入をしっかりとシャットアウト。丸みを帯びたN-2B特有のシルエットを形成。

▲ミルスペック・ラベル
背面内側には実物を踏襲したミルスペックタグを縫い付け、N-2B初期型を忠実に再現。

カタログスペック

#51536 N-2B FLIGHT JACKET
#51536 N-2Bフライトジャケット

BLACK

NAVY

SAGE

［HOUSTON｜#51536 N-2B フライトジャケット］