ビーチクロスという素材には、古くから実用着として培われてきた背景がある。《HOUSTON(ヒューストン)》は、その伝統的な素材に向き合いながら、現代の着用環境に適したオリジナルのビーチクロスを製作。本記事では、その生地を用いたジャケットを軸に、同素材で展開されるベスト、トラックジャケットまでを含めて紹介する。素材を起点に広がるシリーズの全体像を、あらためて整理したい。

[HOUSTON|#51565 ビーチクロスジャケット]
ビーチクロスという素材について
ビーチクロス(Beach Cloth)は、20世紀初頭のアメリカで生まれた素材だ。1901年に設立されたBrown’s Beach Jacket Companyにおいて、ウールとコットンを組み合わせた二層構造の生地として開発されたことが知られている。

[HOUSTON|#51565 ビーチクロスジャケット]
表面には複数の糸を使った独特の表情があり、裏面はボア状に起毛。通称「ごま塩」と呼ばれるその風合いは、見た目の特徴だけでなく、保温性と耐久性を兼ね備えている点に本質がある。ビーチクロスはジャケットやベストを中心に、当時の労働者やアウトドアマンの実用着として広く用いられ、寒冷地でも信頼できる素材として支持されてきた。
なかでも、ブラウンズビーチジャケットはビーチクロスを用いたウエアの代表的存在として知られ、その完成度の高さから、現在でもヴィンテージ市場で高い評価を受けている。素材そのものの価値が、長い時間を経ても揺らいでいないことの証左と言えるだろう。
《ヒューストン》オリジナル・ビーチクロスの特徴
本来ニット地として作られてきたビーチクロスだが、《ヒューストン》では扱いやすさを考慮し、布帛(ふはく)としてアレンジを加えている。これは単なる再現ではなく、現代の生活や着用シーンを前提にした素材解釈と言える。

[HOUSTON|#51565 ビーチクロスジャケット]
裏面の起毛感による保温性や、表情豊かな生地感はそのままに、日常的に取り扱いやすい強度と安定感を確保。ニット由来の素材が持つ伸びや型崩れといった弱点にも配慮し、重ね着にも対応しやすい設計とすることで、着用期間を限定しすぎない素材として仕上げられている。ヴィンテージの雰囲気を踏まえつつ、今の服として成立させるための調整が随所に施されている。
「#51565 BEACH CLOTH JACKET(#51565 ビーチクロスジャケット)」を軸に考える
シリーズの中核となるのが、#51565 BEACH CLOTH JACKETだ。ビーチクロスの特性を最も素直に受け止めた一着であり、素材の表情や機能性がダイレクトに伝わってくるモデルでもある。

[HOUSTON|#51565 ビーチクロスジャケット]
その佇まいには、ブラウンズビーチジャケットをはじめとするオリジナルのビーチクロスジャケットが持つ雰囲気への敬意が込められている。意匠をなぞるのではなく、素材が最も映えるバランスや構成、その“面影”を踏まえたうえで、現代の着用環境に馴染むよう再構成されている点が特徴だ。
ワークウエア由来の無骨さを感じさせながら、過度に用途を限定しないバランスも魅力。インナー次第で秋口から春先まで着用でき、気温や季節に強く縛られない点も、このジャケットがシリーズの“軸”として機能する理由のひとつだ。防寒性に寄りすぎず、かといって軽すぎない。その中間に位置することで、街着としても自然に馴染んでいる。
同素材で広がる2つのバリエーション
同じビーチクロスを用いながら、異なる役割を与えられているのが、「#51564 BEACH CLOTH VEST(ビーチクロスベスト)」と「#51572 BEACH CLOTH TRACK JACKET(ビーチクロストラックジャケット)」だ。

[HOUSTON| #51564 ビーチクロス ベスト]

[HOUSTON|#51572 ビーチクロストラックジャケット]
3型の使い分けと選び方
ジャケット、ベスト、トラックジャケット。この3型は、優劣ではなく役割の違いで選ぶのが適切だ。メインアウターとして安定感のあるジャケット、体温調整に優れるベスト、軽快さを活かしたトラックジャケット。それぞれが異なる場面で機能する。
季節や気温、重ね着の想定によって選択肢を変えられる点も、ビーチクロスシリーズの強みと言えるだろう。
制作工程動画について
《ヒューストン》では、オリジナルのビーチクロスがどのように作られているかを、制作工程動画として公開している。素材選びから仕上げまでの流れを視覚的に確認できる内容で、シリーズへの理解を深める補足資料として一見の価値がある。
文章だけでは伝えきれない素材の表情や工程に触れることで、ビーチクロスという生地への向き合い方が、より立体的に見えてくるはずだ。
「#51565 BEACH CLOTH JACKET」の主な特徴とディテール解説

▲ビーチクロスの表情が際立つ襟元
数種類の糸を用いたビーチクロスならではの「ごま塩」調の表情が最もよく現れる襟元。装飾を抑えたシンプルな形状が、素材そのものの存在感を引き立てている。

▲UNION MADE刻印入りオリジナルボタン
フロントには「UNION MADE」の刻印が入ったオリジナルボタンを採用。マットな質感がビーチクロスと調和し、全体のトーンを引き締めている。
▲実用性を考慮したフロントポケット
フロントにはシンプルな形状のポケットを配置。装飾性よりも使い勝手を優先した設計で、ワークウエア由来の実用性を感じさせるディテールだ。

▲パイピング処理によるポケット補強
左胸にもポケットを配置。ポケット周囲にはパイピングを施し、型崩れを防止。日常的な使用を想定した補強であり、さりげなく全体の輪郭を整えている。

▲重ね着を想定したシンプルな袖口
袖口は余計な装飾を省いたプレーンな仕様。インナーを選ばず、季節を限定しない着用を可能にする設計となっている。

▲裏面起毛による保温性
裏側はボアのように起毛したビーチクロス構造。ニット起源の素材特性を活かし、見た目以上にしっかりとした保温性を備えている。
▲内側に配されたスクエア型ポケット
内側にはスクエア型の内ポケットを配置。外観に影響を与えないミニマルな構造で、収納性を確保している。
▲日本製を示す品質表示タグ
内側には「日本製」と記された品質表示タグを配置。《ヒューストン》がオリジナルで製作したビーチクロスを使用していることを示す、さりげない証となっている。
#51565 BEACH CLOTH JACKET
#51565 ビーチクロスジャケット

BROWN
[HOUSTON|#51565 ビーチクロスジャケット]

BLACK
[HOUSTON|#51565 ビーチクロスジャケット]
HOUSTON
BEACH CLOTH JACKET
ビーチクロスジャケット
– 品番:#51565
– 素材:表地/ビーチクロス(ウール×コットン混)、裏地/起毛加工(ビーチクロス)
– フロント:ボタン仕様
– カラー:ブラック/ブラウン
– サイズ展開:S・M・L・XL・XXL
#51564 BEACH CLOTH VEST
#51564 ビーチクロスベスト

BROWN
[HOUSTON|#51564 ビーチクロス ベスト]

BLACK
[HOUSTON|#51564 ビーチクロス ベスト]
HOUSTON
BEACH CLOTH VEST
ビーチクロスベスト
– 品番:#51564
– 素材:表地/ビーチクロス(ウール×コットン混)、裏地/起毛加工(ビーチクロス)
– フロント:ボタン仕様
– カラー:ブラック/ブラウン
– サイズ展開:S・M・L・XL・XXL
#51572 BEACH CLOTH TRACK JACKET
#51572 ビーチクロストラックジャケット

BROWN
[HOUSTON|#51572 ビーチクロストラックジャケット]

BLACK
[HOUSTON|#51572 ビーチクロストラックジャケット]
HOUSTON
BEACH CLOTH TRACK JACKET
ビーチクロストラックジャケット
– 品番:#51572
– 素材:表地/ビーチクロス(ウール×コットン混)、裏地/起毛加工(ビーチクロス)
– フロント:ジッパー仕様
– カラー:ブラック/ブラウン
– サイズ展開:S・M・L・XL・XXL
まとめ|名作素材を、今の服として成立させるということ
ビーチクロスは、歴史と評価を積み重ねてきた名作素材だ。その完成度の高さゆえ、簡単に扱えば軽く見えてしまう一方で、何も手を加えなければ現代の服として成立しにくい側面も持つ。HOUSTONがオリジナルのビーチクロスを一から製作した背景には、そうした素材の“難しさ”と正面から向き合う姿勢がある。
オリジナルの魅力や面影に敬意を払いながら、扱いやすさや着用シーンを現代に引き寄せる。その結果として生まれたのが、#51565を軸に、ベストやトラックジャケットへと広がるこのシリーズだ。素材を主役に据えながらも、日常着として無理なく機能する。そのバランスこそが、HOUSTONなりのビーチクロス解釈と言えるだろう。
👇“両A面”のリバーシブルコーチジャケットも必見!














