「ヒューストン」の『N-1デッキジャケット』といえば、多彩なバリエーションが展開されている、ブランドを代表する人気モデルの1つ。今回は、その『N-1デッキジャケット』に、14オンスの未洗いデニムを使用した新作が仲間入りしたので紹介したい。古着好きにはたまらない、名作ストームライダーを連想させるディテールを随所に散りばめた大注目のデザインとなっている。
[デニムボアN-1デッキジャケット]
「N-1デッキジャケット」とは?
1940〜50年代まで、アメリカ海軍(U.S. NAVY)に所属する兵士達が、船の甲板上で着用していたミリタリーウェア。冬には、冷たい強風が吹き付ける過酷な環境下において、兵士の身を守る防寒用の作業着として開発された。
そのため、実物の表地には防風・防水性に優れた肉厚で丈夫なコットン生地が使われていた。また、内側の全面にボアライニング(実物はアルパカ毛)を施すことで、高い保温性を確保した。
『N-1デッキジャケット』の詳しい情報は以下の記事でチェック!
1900年代の後半に、日本で巻き起こったミリタリーブームでは、U.S ARMY由来のフィールドジャケットや、U.S. AIR FORCE由来のフライトジャケットの人気が沸騰した。しかし、『N-1デッキジャケット』は、近年人気が上昇してきたミリタリーアウターのひとつ。
[デニムボアN-1デッキジャケット]
何かの理由で一気に火がついたわけではなく、ジワジワと人気を集めてきた点が非常に興味深い。時間をかけて、ジワジワとその魅力が浸透し、ファンを集め続けているといった特性を踏まえると、一過性のブームで終わることのないミリタリー界の大定番化が予想される。
今回紹介する「ヒューストン」製の『デニムボアN-1デッキジャケット』は、そんな『N-1デッキジャケット』の魅力を忠実に再現しつつ、日常生活に取り入れやすいカジュアルな要素を加えた一着だ。ミリタリーアイテムとしての魅力とファッションアイテムとしての魅力が同時に楽しめる。
通常の『N-1デッキジャケット』から、アレンジが加えられた点
[デニムボアN-1デッキジャケット]
表地は14オンスのデニム生地
実物の表地にはヘビーコットンの生地が使われており、「ヒューストン」製の定番『N-1デッキジャケット』の表地にはヘビーピケ素材が使われている。しかし、今回紹介する『デニムボアN-1デッキジャケット』の表地には、14オンスの未洗いデニム生地が使用された。このため、デニム最大の魅力である、経年変化による色落ちが楽しめ、さらにデイリーウェアに取り入れやすいデザインとなっている。
[デニムボアN-1デッキジャケット]
裏地はオフホワイトのボア
実物の裏地にはアルパカ毛が使用されているが、洗濯時に気を遣うなど、現代生活では少々扱いにくい側面がある。そういった課題を改善するため、「ヒューストン」の定番モデルの『N-1デッキジャケット』では、メンテナンスが容易におこなえるアクリルボアが使用されている。今回紹介する『デニムボアN-1デッキジャケット』にも、定番モデル同様にアクリルをメインに使用したボアが使用されているが、その色合いに濃紺デニムと相性抜群の“オフホワイト”が採用されている点が特徴。古着やアメカジ好きから絶大な指示を集める傑作『ストームライダー』を連想させる仕様が随所に散りばめられている。
[デニムボアN-1デッキジャケット]
各所のディテール変更
アームや袖口の作り、各所のボア遣いなど、通常の『N-1デッキジャケット』には採用されていないディテールも随所にバランスよく取り入れられている。これは、ストームライダーやデニムジャケットの魅力的な要素を加えて、よりデニムアイテムとしての魅力を高めるためで、結果、『N-1デッキジャケット』とデニムアウター特有の魅力を同時に楽しめる一着に。
[デニムボアN-1デッキジャケット]
グレーの糸で縫製
表地に使用した未洗いのデニム生地の雰囲気に合わせて、表に露出する縫製にはグレーカラーの糸を使用。これにより、デニムアイテムによく用いられる、ホワイトやイエロー、オレンジのステッチのように目立ちすぎることなく、武骨な印象を壊さない適度に主張する。『N-1デッキジャケット』本来の魅力を残したデザインが楽しめる。
『デニムボアN-1デッキジャケット』のディテール解説
14オンスの未洗いデニム生地
表地には、14オンスの未洗いデニム生地を使用。着用し続けることで、自分だけの経年変化(色落ちや風合い)が楽しめる。長く着続けることで、魅力と愛着が増す一着だ。
裏地はアクリルメインのボア
裏地には、アクリルメインの素材を使用したボアが配されており、高い保温性を確保。濃紺のデニムと相性抜群のオフホワイトカラーを採用している点も見逃せない。
グレーのステッチ
表に露出する縫製には、グレーカラーの糸が使用される。目立ちすぎることなく、適度に主張してくれる。
ボア付きの襟
『N-1デッキジャケット』の特徴の1つである、ボア付きの襟を踏襲。襟裏にはボタン式のチンストラップが配されており、ボタンを留めれば、防寒性に優れたスタンドカラー仕様に。
ウィンドフラップもボア仕様に
通常の『N-1デッキジャケット』同様に、フロントの合わせは比翼仕立てとなっているが、ウィンドフラップにまでボアが配されている点は『デニムボアN-1デッキジャケット』オリジナルの仕様だ。ウィンドフラップからチラリと覗くホワイトのボアが、ストームライダーを連想させるアクセントに。
頑丈なフロントジッパー
フロントジッパーには、実用性を重視した堅牢な「YKK」社製のジッパーを採用。使いやすいスライダーの引き手も嬉しい。
アームの外側にダブルステッチ入り
通常の『N-1デッキジャケット』には、アーム(腕)に目立つステッチは入らないが、『デニムボアN-1デッキジャケット』にはアームの外側にダブルステッチを採用。デニムジャケットのような二枚袖となっており、より美しいシルエットにリデザインされている。
ボタン式の袖口
通常の『N-1デッキジャケット』には、2重構造のリブ仕様の袖口が採用されているが、『デニムボアN-1デッキジャケット』では、ボタン仕様の袖口に。袖口の先までボア仕様となっており、チラリと覗くホワイトのボアが程よいアクセントに。
脇下にベンチレーション
両脇下には、着用時の蒸れを排出するためのベンチレーション(4つの穴)が配されている。
両サイドのポケット
両サイドには、片玉縁のスラッシュポケットを採用。サッと手を差し込みやすく、かなり実用的。
内ポケット
左胸の内側には、内ポケットを装備。ポケット口はデニムでしっかりと補強されている。
内側の脇下に別布
内側の脇下には、蒸れを軽減するためとボアのかさばりを防ぐために、別布が配されている。細かい部分まで「ヒューストン」らしいこだわりが見て取れる。
裾部分にイミテーション
裾部分にも『N-1デッキジャケット』の特徴的なディテールをしっかりと再現。
裾の後ろにアジャスター
裾の後ろ部分には、デニムジャケットの特徴を取り入れたアジャスターを採用。裾の太さの調節に加えて、アクセントとしての役割も。
『デニムボアN-1デッキジャケット』
INDIGO
【DENIM BOA N-1 DECK JACKET】
14オンスの未洗いデニムを使用した『N-1デッキジャケット』。定番のN-1デッキジャケットに、ストームライダーのようなニュアンスを融合させ、よりカジュアルなアウターに仕上げた一着。長く着用することで、デニム特有の経年変化が楽しめる。ミリタリー由来の名作をよりカジュアルにリデザインした、注目の仕上がりとなっている。